登場人物

漫画を描くことが大好きで、4コマ漫画を描いてきた。これからは、もっと漫画のノウハウを知って上達させたい。漫画家になるのが夢。

独学で漫画を描いてきた新人漫画家。出版や連載を経験しているため、漫画に関するノウハウを持っている。
「メッセージ」を考えよう

よーし!さっそくプロット書くぞー!!!

ちょ…ちょっと待って、かくちゃん!

せっかくだし、恋愛マンガを描きたいなぁ。女の子がかっこいい男の子に告白される話!主人公は高校生の女の子にしよーっと!舞台は現代で!……あ、でも男の子をたくさん描きたいから、やっぱり主人公は男の子がいいかなぁ…?

あ、でもでも!どうせ男の子を描くなら、袴姿とか和風な格好をさせたいかも…そうすると、現代を舞台にするより、昔を舞台にした方がいいなぁ。……でも、昔の建物とか、昔の生活とかあんまりよく知らないなぁ………うーん………

詰まっちゃったわね…

詰まっちゃいました……

シナリオやキャラクター、世界観を考える前に、確認しなければいけない重要なことがあるのよ。

重要なことなら先に言ってくださいよ!

……

それはね、「ゴール」よ。

ゴール?…って、ラストシーンのことですか?

んー…ここで話したい漫画のゴールは、ラストシーンのことじゃないの。私が伝えたい「ゴール」は「作者が漫画を通して読者に何を伝えたいか」っていう「メッセージ」を考えることなのよ。

つまり「かくちゃんが描いた漫画を大事な時間を削って読んでくれる読者さんに、どんなメッセージを渡したいか」ね。

メッセージ……(難しそう)

メッセージには主に「ポジティブな感情のもの」と「ネガティブな感情のもの」があるわ。

こう聞くと「ポジティブなメッセージ=良いもの」「ネガティブなメッセージ=悪いもの」みたいに聞こえるかもしれないけど、作品をつくる上で優劣をつける必要はないわ。どちらも物語を作る上で必要な素晴らしい原動力になるから。

ほうほう…

で…メッセージって、具体的にどんなものがあるんですか?

ポジティブな感情のメッセージの例を挙げると「こういう人って素敵だよね」「あれって面白いよね」「私はこれが好き」みたいなイメージね。

ネガティブな感情のメッセージの例を挙げると「私はこれが苦手」「あの経験がツラくて苦しい」「私はこういうのは間違いだと思ってる」みたいなイメージかな。

ネガティブなメッセージについては、もう少し詳しい説明が必要なんだけど…それは後々説明するから、とりあえず今は、なんでもいいから挙げてみてほしいな。

うーん……「なんでもいい」って言われると困っちゃうなぁー…なんか特に思い浮かばないし、あとで考えていいですか?

それはおススメできないわね。

え!?どうしてですか!?

答えは簡単。ゴールがないと迷ってしまうからよ。

さっき、メッセージの話をする前のかくちゃんもそうだったでしょ?「こうしよう!」と思って考え始めたのに「やっぱり、こっちの方がいいかも!」とか「でも、あっちもいいかも!」って。

ゴールがないから、寄り道ばっかしちゃうのね。これじゃあ、何十年かかっても漫画は完成しないわ。

何十年…(グサッ)

だから、絶対にゴール、つまり「メッセージ」は先に決めましょうね。

それと、先に自分でしっかりとゴールを決めないと、他の人に「こっちのゴールの方がいいんじゃない?」とか「あっちのゴールの方がよかったのに」って言われた時に「そうかもしれない…」って揺らいじゃう場合があるわ。

うぅ…(グサグサッ)

もし東京から北海道に行こうとしてたのに、青森に着いた途端、急に思い立って「沖縄に行こう!」なんて言い出したら、かかる時間も距離も変わってくるわよね?

もし一緒に旅行してる友達が、そんなこと言い始めたらドン引く…

そうよね。それと同じで、ゴールが変われば、そこまでの道のりも全然違ってくるの。だから、まず自分はどこに向かうべきなのかをしっかり決めましょうね。

次回は、具体的なメッセージの中身をいっしょに考えていきましょっか!

はーい!
今回のまとめ
- 漫画の「ゴール」=読者へ「メッセージ」を届けること
- メッセージには「ポジティブ」と「ネガティブ」がある(※優劣はなし)
- 作り始めてから迷わないように、必ず先に「ゴール」を決める